2009年6月30日火曜日

友情

研究室に外線電話。交換を通しての電話だったので何気なく出てみたら不動産やらリゾート会員権の「おいしい」話でした。とってもうっとうしいので、電話をがちゃり。大学の教員の給料なんてたいしたものではないのに。。。

『20世紀のアメリカ文学』
Hemingwayの"Cross Country Snow"を授業で取り上げました。男同士の友情がアメリカ文学にしばしば見られるテーマであるということを説明した後、NickとGeorgeの会話分析を行いました。
また、「雪」の描写、「色」の描写について意味論的な枠組みを提示して作品の解釈をしていきました。
最近では授業内でグループディスカッションが非常に活発になり、それぞれのグループでの解釈を聞くのがとても楽しみになっています。授業も残すところ3回です。「文学」と「言語学」の接点を見いだせるようになっていければと思いながら授業を進めていきます。

『英語学特論』
そろそろ<テンス>と<アスペクト>の意味論的分析も佳境に入ってきました。普段何気なく使っていた英語について新たな見方があるということがわかってきたのかと思います。来週の授業では、皆さんがそれぞれ調べてきた「現在完了進行形」と「現在完了形」、「現在進行形」の意味論的分析結果の発表をしてもらいます。とても楽しみにしています。

2009年6月28日日曜日

年を重ねつつ


久しぶりののんびりできる週末です。

先週は学生さん達から誕生日プレゼントとして「焼酎サーバー」なるものをもらった。普段の授業でもお酒の話などをしているからかな?
別に、来週が誕生日などと授業で宣伝していたわけでもなく、かなり前にどこかの授業の雑談か何かで聞いて覚えていたらしい。そういうのってちょっとうれしいですね。

ちなみに焼酎サーバーの後ろにあるガラスの瓶たちは奥さんが集めているマリアージュフレールのフレンチサマーティー。




2009年6月25日木曜日

高校訪問週間

勝手に自分で名前を付けた仕事です。
今年は入試・広報委員として大学の広報活動の手伝いもしております。その活動の一環として大学の様々な取り組みや学部の紹介を高等学校を個別に訪問して周知徹底するというものがあり、先週から今週にかけて授業の合間をぬって長野、静岡、東京の高校を訪問させていただきました。高速道路のインターでご当地グルメを食べるのが楽しみになり、静岡の「富士宮やきそば」や長野で「おやき」などを食べ、ちょっとだけ幸せな気分に(笑)

さて、授業ですが
桜美林「20世紀アメリカ文学」
2回目のレポートの提出をしてもらいました。書式や引用の仕方について厳しく説明をしましたので、ほとんどの方はルールを守ってレポートを作成していました。ただ、内容がどうしても「感想」になってしまう人もいたので、「分析、批評」との違いについて再度授業で説明をします。

杏林「英語学特論」
時制について考えています。He is resembling his mother day by day. という英文が受け入れられるのは、例えば赤ちゃんがすくすく育って行くうちにだんだんとお母さんに似てきているなんていうシチュエーションが考えられますね。
また、The bus is stopping.とThe bus stops.それからThe bus stopped.の違いについてはどのように意味論的な見地から説明することができるかについて皆さんとディスカッションしながら何となく答えが見えてきましたね。次回はこの続きから話を始めたいと思います。

「英語科教育法」
授業展開についてある程度の流れが理解できたと思います。授業では授業計画として小学校の5時間分の授業の流れについて皆さんと考えながら話を進めていきました。
単語の提示の仕方も、単なる提示に終わらずにリズムチャンツや体を使いながら覚えるという方法を一緒に皆さんと行いました。恥ずかしがっている人もいましたが、慣れればすんなりとリズムチャンツを歌ったり踊ったりできますよ。

2009年6月15日月曜日

梅雨

朝から雨が降り出しそうな天気で、こんな日は何か空気の匂いがちょっと違いますよね。
「20世紀のアメリカ文学」ではレポートの提出をしてもらいました。ネット上もしくは手渡しで時間内に提出されたレポートのみ受付ました。最初のシラバスを配布した段階で年間スケジュールは記載済みですし、3回提出するレポートについても別項目を立ててシラバスに書いてあるので「忘れていました」と言われても、「じゃあ、来週ね」とは言えない。遅れて提出されたものについては一切の評価をいたしません。

さて、授業では"Up in Michigan"を読みました。スタインが「壁に掛けられない」と酷評した作品でもありますが、今日のグループディスカッションでは作品の中心に皆さんが踏み込めていたのではないでしょうか?恋愛が関係してくる物語になると、どうしてもテクストを離れてしまい、「妄想」が暴走してしまう傾向がありましたが、今日は根拠をテクスト、文体に求めながらの討論ができました。その中にも秀逸な議論もありましたね。鹿の脚、Lizの脚そしてこわばった身体、Jimの大きな手、大きな"it"などがきちんとまとめられていました。
彼女が失った"everything"は一体いかなるものだったのでしょうか?また涙しながらもJimに自分の着ていたコートをはだけないようにかけてあげたときの彼女の気持ちはどのような気持ちだったのでしょうか?

2009年6月14日日曜日

1Q84

村上春樹の『1Q84』を先週から読み始めた。さすが村上ワールドという感じで、作品の世界に引き込まれていく。『海辺のカフカ』のような「交差する世界」をどこに見いだせるかを探りながら、そして「その期待」は必ず裏切られるんだろうという別の期待。

さて、「英語学特論」では機能主義的な立場から文の意味について学んでいます。3週間かけて行ってきた「受身文」の意味は理解できたかと思います。
This bridge was crossed by John.はちょっとおかしくて、This bridge was crossed by hundreds of lovers.は容認可能であったのは、主語の意味づけ機能が作用することで考えられましたね。
前回の授業では、「時制」について考え始めました。「テンス」と「アスペクト」の概念についてはまだ詳しくは学習していませんが、いわゆるbe+ ingで表される「進行形」がとても面白い文法現象であるということを理解したでしょう。前回の授業はイントロ編でしたので、来週からはもっと「意味」の「深み」にはまって行きましょう。
She has studied English.とShe has been studying English.の違いについて自ら様々な例文を調べ尽くすというのがこれからの課題になってきます。
ちなみに、7月3日に提出するレポートの課題を提示しました。また、参考になる図書類も授業中に説明をしましたので、聞きそびれてしまった人は友人に確認しておきましょう。

2009年6月11日木曜日

中間試験の返却

先週実施した実用英語演習IIIの中間試験を返却しました。
TOEIC頻出文法問題50問とリスニング重要単語50問の試験でしたが、平均して70点ぐらいでしたので、みなさんよく学習していると思います。ただし、半分に満たなかった方もいましたので、試験返却時にも言いましたが、「とにかく問題形式に慣れるまで練習する」ように心がけて下さい。
単語が25点未満だった方は25日の昼休み(授業終了後)に再テストを実施し45問以上正解を合格点とします。30点台だった人も安心せずに、必ず復習するようにしてください。
ある一定のレベルに到達するまでは「暗記」が非常に重要になってきます。

2009年6月10日水曜日

魔の水曜日


水曜日は授業の合間に打ち合わせが入ることが多い日です。
1限 英語科教育法
2限 英語I
昼休み 会議
3限 基礎演習
そして、今日は3限終了後に都内の日本語学校にインターンシップのお願いに出張。日本語教育の最先端の話を伺い、日本の英語教育がいくつかの面において遅れていると感じた。

<英語科教育法>
先週から指導案の書くということをテーマに、授業設計を考えています。今日は2人に模擬授業をしていただきました。初めて教壇に立ち全て英語で授業をしなければならないということで「超」緊張していたみたいですが、初めてにしてはよくできていました。

授業でも言いましたが生徒と教師が「一体感」を持つ授業が出来るように心がけましょう。単に、How are you? Fine thank you, and you? I'm fine, too. Thank you.という定型表現の挨拶だけでは終わらせないようにしましょう。全体への問いかけなのか、個人への問いかけなのかは、gestureや呼びかけを積極的に取り入れて行うようにしていくことで「グダグダ感」は払拭できるはずです。
また、Picture cardsを利用したOral Introduction からStory Re-tellingへ展開する方法も見ていきました。

来週はペアワークなど授業の展開部分について具体的に考えていきます。指導案のテンプレートはUniversal Passport上にアップしてありますので、各自ダウンロードして利用して下さい。

2009年6月8日月曜日

カフェ物語


今日の「20世紀アメリカ文学」はHemingwayの"A Clean Well-Lighted Place"を読みました。
会話描写でいわゆるhe saidなどの伝達節がほとんど記されていないので、2人のウェイターのうちどちらが話をしているのかについては注意深く読む必要がありました。グループごとにディスカッションをしながら「誰が話しているのか」についてそれぞれまとめてもらいました。今回のディスカッションが有意義であったことがみなさんの授業後のリアクションペーパーに記されていましたので、今後もディスカッションの回数を増やして授業を進行していきます。

さて、この話の冒頭部分に次のような描写がありました。

In the day time the street was dusty, but at night the dew settled the dust and the old man liked to sit late…

 そして、The Sun Also Risesに見られる次の描写と比較するところから議論をはじめていきました。

It is awfully easy to be hardboiled about everything in the day time, but at night it is another thing.

昼間はハードボイルドでいるのは簡単なことだけど、夜になるとそうはいかないんだ。ということですが、"A Clean Well-Lighted Place"のカフェも「夜」には特別な意味がありそうですね。昼間のホコリっぽい乾いた場面から、湿気が出てくる夜ともなると、そのときの気分はどうなっていくのでしょうか?きっとそういう夜になると心に傷を持った人たちがカフェの明かりに吸い込まれるように集まり、誰かとコミュニケーションをするわけでもなく自分の心の傷がいやされるまで滞在する。そこには現実的な時間をも超越した独特の時間が流れていることでしょう。

カフェに目を転じると、若いウェイターは時間ばかり気にして早く帰りたくて仕方がない。一方で年長者のウェイターは不眠症ということもあり、時間という枠組みから逸脱している。精神世界の中の"nada"を追い求めながらカフェを開き続ける。そこは清潔で明るく落ち着く場所でなければならない。

少しニュアンスが異なりますが、"A Clean Well-Lighted Place"とCarson McCullersの"A Tree, a Rock, a Cloud"( The Ballad of the Sad Cafeに所収)を読んでみるとおもしろいと思います。どちらもカフェを舞台にしながらも、そこに流れている空気、雰囲気はどことなく感傷的であるといえるでしょう。

来週は2回目のレポート提出になります。皆さんのレポートを読むのを楽しみにしています。


2009年6月7日日曜日

天気のいい日には


ここ数日の雨模様から一転して今日は快晴。朝から気合いを入れてたまっていた洗濯をすることに。結局3回も洗濯機を回すだけの量がたまっていた。そして、洗濯物をベランダに干しながらの景色がきれいだったのでパチリ。都心では味わうことのできない自然の中に暮らしております。

さて、今週で大学の授業も夏休みに向けて後半戦に突入し、春学期もあと半分というところまでやってきましたね。とりあえず、このブログでは授業のことをメインに書いていきます。

ということで授業のこと
<英語学特論>K大学
今週までの復習
受身文を意味論的な立場から考察していました。機能主義的な考え方をすることで、生成文法との違いが理解できたかと思います。次回の授業では受身文のまとめをした後に、「テンス・アスペクト」という観点を意味論的に考察をしていきます。
まずは皆さんの知っている現在完了について、I have studied English.とI have been studying English.の違いから考えていきましょう。

<20世紀のアメリカ文学(英語圏社会と文学)>O大学
今週までの復習
先週はHemingwayの"Solder's Home"を読みました。発表もよくできていました。クレブスの変化を象徴的に表している冒頭の2枚の写真の描写だけが、地の文にもかかわらず「現在形」で語られていましたね。このときの語り手が誰で、視点がどこにあったのかということをじっくり考えて読み解きました。決して翻訳を読んだだけではこの違いに気がつかない。英語の文章を読む楽しさというのがこういった小さな所にも隠されていますね。
15日には2回目のレポート提出です。1回目のレポート返却時に各自にコメントを書いたことや、授業内で説明したことをしっかり守って作成してください。