テキスト言語学3回目
日英語の談話比較を広告というジャンルにしぼって検討しました。先週は「する」と「なる」という言語的な特徴を中心に表現を分析しました。
先週の学習内容を踏まえて、表現の相違について考えてみました。
『もののけ姫』の「生きろ!」という表現からは物語内容についてはピンとこないけれども、「なんとなく、インパクトのあるキャッチコピーだ」という印象が皆さんにはあったみたいですね。一方、英語の"The Fate of the World..."には「インパクトがあるというよりもむしろ、内容を端的に伝えているようなイメージがある」という議論になりました。
そこから、理性と知性というところにまで話を進めていきましたが、理解できたでしょうか?
日本人はどうしても「イメージで捉える」ということをしている感じがしますよね。
例えば、「タウリン2000mg」は「タウリン2g」よりもなんか健康になれそうな感じがするし、「レモン300個分のビタミンC」と言われると、とてつもなくビタミンが取れそうな気もします。
そんな「・・・な気がする」なんていうイメージで数字を捉えていて、そこには決して、数学的な数字の捉え方をしていないということが言えるはずです。
こうした、ものごとの捉え方というものと、表現の仕方は密接に結びついているからこそ、広告のキャッチコピーが「インパクトのある」ものになっていくのでしょうね。
そして、今日の授業のまとめとしてサールという人が考えた「発話行為理論」について説明をしました。広告は特に「発語媒介行為」と関係していましたね。また、広告はAttention, Interest, Knowledgeのどれかに重点が置かれてコピーが作られていて、Attentionに重点を置く日本的なコピーとKnowledge型の英語のコピーがそれぞれの言語のプロトタイプ的なものとして考えることができました。また、その中間的な存在のものというように、いくつかの形式に分けて考えることができるはずです。
来週の授業は休講です。1月25日(月)に補講を行います。